県手話言語条例:成立、待ち望んだ歴史的瞬間 傍聴席に100人、「全国へ広がって」 /鳥取


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「ろう者が待ち望んでいた歴史的な日です」−−。手話を「言語」と位置づける全国初の「県手話言語条例」 が8日、県議会本会議で可決、成立すると、傍聴席で評決を見つめていた全日本ろうあ連盟の西滝憲彦理事ら関係者は手話で喜びを表現した。条例成立の瞬間に 立ち会おうと、普段は人がまばらな傍聴席に全国各地から100人近い関係者が詰めかけ、歴史的瞬間を見守った。【加藤結花】

本会議が終了すると、平井伸治知事が傍聴席に駆けつけた。「条例が成立しました。これからも協力してい きましょう」と自ら手話で伝えると、県ろうあ団体連合会の荻原耕三会長が「知事や議員、県民の皆さんのおかげ」と礼を述べ、条例成立を記念して作った特製 タオルを知事に手渡した。

条例の意義について、西滝理事は「みんながすぐ手話を使える環境になるのは難しいかもしれないが、小中学校などの義務教育で学ぶようになれば、将来的には多くの人が一度は手話を勉強したことがあるという状況ができる」と説明した。

県ろうあ団体連合会の石橋大吾事務局長は「道を尋ねられたが、ろう者だと分かると何も言わずに逃げられ た」という自身の経験を例に挙げ、「県民の中で手話に対する理解が深まれば、このようなことはなくなると思う」と期待。「小さな鳥取県でも条例を作ること ができたので、他県でも手話条例はできると思う。全国に広まってほしい」と興奮気味に語った。

県障がい福祉課によると、11日の条例施行以降に、助成金の上限額を決定するほか、平井知事の定例記者 会見のために手話通訳者を手配したりするという。担当者は「県内の手話通訳者は33人。条例制定で手話通訳者のニーズが高まることが予想され、十分な数と は言えない。県民への手話の普及に加えて、手話通訳者やその指導者の養成などにも力を入れていきたい」と話していた。

 ◇県立図書館に手話本コーナー

県立図書館は、「もっと知りたい!手話のこと」と題し、手話に関する本を集めたコーナーを設置している。県手話言語条例の成立を機に、県民に手話への理解を深めてもらおうと企画した。30日まで。

1階図書室階段下に設置された特設コーナーでは、手話絵本やろう者が書いたドキュメンタリー本など約50冊が集められている。

また、読書週間が始まる27日には、絵本の読み聞かせ(午前11時、同図書館小研修室)を手話付きで初めて開く。無料。

県立図書館の担当者は「条例の趣旨に賛同し、手話の普及に協力したい。来春からは、定期的な手話によるお話会の開催なども検討したい」と話している。【加藤結花】

毎日新聞 2013年10月09日 地方版
http://mainichi.jp/area/tottori/news/20131009ddlk31010619000c.html