耳の不自由な人向け 119番通報、スマホで迅速に


カテゴリ:ツール・福祉機器


スマートフォンを使って簡単に119番できる聴覚障害者向けのシステム=神戸市中央区磯上通7

耳の不自由な人が急病や火災の際、スマートフォン(多機能携帯電話)から素早く119番できる新システム「Web(ウェブ)119」が、全国の消防 本部の注目を集めている。画面に数回触れるだけで通報できる上、消防側もスマホの位置情報をもとに現場に速やかに出動できる。開発したのは地図情報システ ムのドーン(神戸市中央区)。関東を中心に既に10程度の消防本部が採用し、兵庫県内でも導入が検討されている。(中務庸子)

「Web119」は、あらかじめ利用登録した聴覚障害者が無料の専用アプリを起動させ、インターネットを使って消防に通報する仕組み。本人確認後に、自宅 か外出先か▽救急か火災か‐を画面に触れて選択するだけで通報が完了する。「外出先」を選ぶと、衛星利用測位システム(GPS)機能で位置が自動的に消防 へ伝わる。

聴覚障害者が119番する際、従来はファクスやメールが一般的で、さまざまな制約があった。このシステムを利用すれば、外出先から通報できる上、位置情報を打ち込む手間もなくなる。

一方、消防側にもメリットは多い。通報を受けるサーバーは通常、消防本部が保守管理・更新しているが、このシステムでは同社が全て担う。地図情報などが常 に最新の状態に更新され、運用コストも抑えられる。サーバーの情報はネットを通じて共有できるため、将来的には近隣の自治体との連携なども可能になるとい う。

3年前に千葉県内の消防本部から提案を受け、同社が開発に着手。2011年から本格運用を始めた。同社は「消防のシステムは5~10年で更新されるが、来年度はそれが集中する。この機会に30消防本部での導入を目指したい」とする。

兵庫県内でも2自治体の消防本部が本年度内の導入に向け、検討を進めている。調整にあたる自治体の担当者は「通信端末がめまぐるしく変化する時代にも対応でき、行政サービスの向上につながる」と話している。

2013/8/29 15:25
神戸新聞NEXT
http://www.kobe-np.co.jp/news/kurashi/201308/0006292114.shtml