山本美香さん:後輩が著作を手話朗読…取材で死亡から1年


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ジャーナリスト、山本美香さん(当時45歳)が内戦下のシリアで亡くなって20日で1年。母校・山梨県立桂高校(同県都留市)の放送部員が、山本さんの著作を手話付き朗読で紹介する活動を始めた。互いの違いを学び、平和を築こう−−。生徒たちは、紛争地の取材経験からこう訴えた山本さんの思いを、より多くの人に届けたいと意気込む。【片平知宏】

 ◇互いの違い学び、平和築こう

「この瞬間にもまたひとつ、またふたつ……大切な命がうばわれているかもしれない−−目をつぶってそんなことを想像してみてください。さあ、みんなの出番です」

今月13日から地元・都留市で始まった山本さんをしのぶ写真展。初日の開幕式典で、部員27人が山本さんの著作「戦争を取材する−−子どもたちは何を体験したのか」(講談社)の一節を朗読した。その際、全員で練習を重ねた手話も交えた。

取り組みの中心になったのは3年の川村麻奈美さん(17)。父義富さん(58)と母笑子さん(52)には聴覚障害があり、親子の会話で手話を使う。ただ、小学生の時にいじめを受けたこともあり、「人前で使うのはためらいがあった」。

悩みを知った放送部の島袋あゆみ顧問(46)が提案したのが、先輩である山本さんの著作の手話付き朗読だった。翻訳や指導を義富さんと笑子さんに頼み、快諾を得た。

麻奈美さんも山本さんの言葉に背中を押された。アフガニスタンなど民族や宗教が鋭く対立する地で取材を重ねた山本さん。著作「戦争を取材する」には「人間はひとりひとりちがっているからこそ、豊かな関係を築いていける」「他人を理解しようと努めることで、おたがいの価値観のちがいを乗りこえることができる」と書かれていた。

両親が訳した手話を必死に覚え、仲間に教えた。半年以上かけた練習で、皆の手が自然に動くようになった。現在、山梨県甲斐市で9月に開かれるイベント「国民文化祭・朗読フェスティバル」での発表に向け、練習を積んでいる。麻奈美さんは「もう手話が恥ずかしいとは全然思わない。壁をなくし、誰もが暮らしやすい社会を作りたい」と笑顔を見せた。

毎日新聞 2013年08月19日

http://mainichi.jp/select/news/20130819k0000e040169000c.html

※私の両親もろう者ということもあり、親近感を持ちましたので掲載しました。(Deaf Life Partners 青山)